No.124 自動販売機の歴史

2023年11月7日

日本だけで約400万台(2022年12月)も設置され、先進技術の宝庫ともいえる自動販売機。
世界最古の自販機は、紀元前215年頃エジプトの寺院に置かれた「聖水自販機」で、コインを投入すると、その重みで水が出てくる装置と言われています。

現存する日本で最も古い自販機は、1904年に発明家の俵谷高七氏により考案された「自動郵便切手葉書売下機」というものです。コインを入れると右側から切手、左側から葉書が出てくる仕組みで、下半分は郵便ポストになっているという便利な自販機でした。

国内の自動販売機の本格的な普及は、60年前の1962年(昭和37年)、コカ・コーラから始まります。日本における清涼飲用水用の自販機の記念すべき第1号になります。この年だけでも全国に880台が設置されたそうです。
鮮やかな赤い色をした自販機で、コインを入れるとコーラの瓶が転がり出てきて、さらに栓抜きも付いていました。懐かしいですね。

そして次なる画期的な発明は、缶コーヒーの自販機です。ポッカコーポレーション創業者の谷田利景さんは、開通してまもない名神高道路を走行中、運転手が眠気覚ましにサービスエリアでコーヒーを飲もうとしました。しかしお店に長蛇の列。コーヒー1杯を飲むために相当な時間がかかってしまったそうです。その時に「コーヒーを缶に詰めれば、どこでも気軽に飲めて非常に便利になる」とひらめいたのがきっかけになったそうです。

ポッカは早速缶コーヒーの開発に着手し、世界初の本格的な缶コーヒーは昭和47年に製造を開始しました。さらに、谷田さんは、その缶コーヒーを自販機で販売しようと考え、缶コーヒーの製造を開始した翌年には、ホットとアイスを両立できる自販機が完成。第1号機は、この開発を思いついたサービスエリアに設置をしました。ちなみにこのサービスエリアは養老サービスエリアだそうです。

最近では、ますますユニークな自動販売機が登場するようになってきました。
お米やパン、和菓子に鍋物セット、花束など日本の自動販売機は進化し続けています。
中には結婚指輪や、パクチー自販機、ふるさと納税の自販機などの珍しい自販機も多くあります。
「こんな物も売っているんだ~」と驚くこともあるかもしれませんね。